これらはどこからやってきたのか。
浜を歩く二人が拾い上げる漂着物。
彼方より潮流によって運ばれ彷徨う、
名を無くしかけたモノたち。
やがて二人はそれぞれのやり方で向き合い始める。
写真家は光を介して、
その存在が内包するものを映し出し、
造形作家は断片を手がかりに、
新たなモノに再生していく。
二人が手にした漂着物は、
どんな姿で語り出すのだろう…。
2021.11.19㊎ 11.20㊏ 11.21㊐ 12:00 - 18:00 *11.19のみ17:00まで
在廊日:中里和人 11月19㊎、20㊏、21㊐ / 水田典寿 11月19㊎
南から黒潮と対馬海流、北から親潮とリマン海流の交差する日本列島には、何万年も前から潮の流れに乗ってさまざまな漂流物が流れ着いていた。 私は海の彼方に思いを馳せ、黒潮を遡上しつつ海岸線を巡り始めた。そこで、海流という自然エネルギーが運んできた無数の人工漂着物を採集した。長く海流にゆられてきた漂着物は、太陽光に褪色し、潮流で変容し、自然に還ろうとしていた。採集物を幻燈機に入れ海辺付近の壁に投影させると、コンクリート、鉄、板などスクリーンの物質と漂着物との境界が曖昧になり、今まで見たことのない光の像が現れはじめた。 幻燈の光を媒体に、ほとんど名前を無くしかけた漂着物が壁面物質と溶け合い、暗闇の中で来迎神のような光を放ちながら、現代の小さなイコンとなって浮かびあがってきたのだった。
中里和人
水田典寿さんが制作した特製の箱に、写真集「Hikari no Hyochaku」を収めた特別装丁版。永い時と共に変容する物質の生命感を、箱と写真集に重ね合わせ、海上がりの現代の玉手箱として誕生させました。(中里)
写真集 「Hikari no Hyochaku」
2021年 SPRING GALLERY発行
特別装丁版〈限定20セット〉… 33,000円(税込)
写真家 中里和人さんと造形作家 水田典寿さんをお招きして、トークショーと幻燈体験会を開催します。
海辺で収集した名を無くしかけた漂着物に、二人は何を想い、作品に描き出したのか。漂着物を通して見えてくるものとは?
また、中里さんが使用されている幻燈機を会場に置いて、実際に投影していただきます。幻燈機の中に入れられるのは、野球ボール程度の大きさの物。参加者はこのサイズ内の物であれば、ご持参いただいて幻燈投影を体験することもできます。
幻燈機の中に入れた物が、空間の中に光の像となって投影される姿をお楽しみください。
中里和人 (なかざとかつひと) プロフィール
1956年 三重県生まれ。
写真家。
東京造形大学教授。
日本の風景を地誌的視点で撮影を行う。
オルタナティブな空間での写真展などの活動を行い、街や地域との社会的な相互交流を実践している。
→ http://nakazato.info/
水田典寿 (みずたのりひさ) プロフィール
1977年 東京都生まれ。
造形作家。
2003年より廃材や金属などを使って家具や生活道具を制作。
年に数回各地で個展を開催している。
→ instagram : 水田 典寿 (n.mizuta)
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