小灯 こともし cotomosi

Vol.4 : December 2021

はちみつ酒ミードをたのしむ器 はちみつ酒ミードをたのしむ器

「はちみつ酒ミードをたのしむ器」
2021.12.17㊎ 12.18㊏ 12.19㊐  12:00 - 18:00

蜂蜜と水を発酵させてつくる「ミード」。世界最古のお酒とも言われ、ビールやワインよりも歴史は古く、発祥はおよそ1万4千年前だとか…。今回ご紹介するミードは、原料に良質な蜂蜜をたっぷりと使用し、人工的な酵母の添加はせず、蜂蜜が秘めていた天然の酵母をじっくりと発酵させてつくったものです。その味わいをゆっくり愉しんでいただくための器を、3つの視点“触覚・味覚・視覚”から選んでみました。

熊谷幸治さんの土器…碗型はミードを両手で掬って飲むような愉しさがあります。カップ型は蜜蝋を含浸させた物とそうでない物とあります。

高橋禎彦さんのガラス器…味わいや香りを凝縮してくれる形状のかわいらしいグラス。高橋さんらしいやわらかな質感と透明感があります。

江波冨士子さん、由良園さんのガラス器…ミードを注ぐと蜂蜜色と響き合う、目でも愉しめる図案、色彩のグラスです。
*お二人の器は数量に限りがあるため、小灯にて抽選販売の申込みを受け付けます。

戸田京介さんのミード…今秋醸造のミードを数量限定で販売します。12月18日(土) 13:00〜15:00在廊予定。

蜂蜜酒ミードのこと
戸田京介(WAKAZE三軒茶屋醸造所 杜氏)

蜂蜜にはアルコール発酵に必要な糖分があるということに加えて、花から採ってくるので酵母が付いていて、水で割っておけば自然と発酵していくんですね。本当にシンプルで、もともと誰かが発明したというよりは、自然に出来上がって、恵みとして飲んでいたというものだったのかなと思います。

僕の製法の大きな特徴は、酵母も含めて何も加えていないということです。やはり蜂蜜だけだと発酵しづらいので、今は発酵補助剤を入れたり、酵母を入れたりする製法をよく聞くんですけれど、僕はそれではあまり蜂蜜の良さというのは活かし切れないなと思っていて。なので、蜂蜜に水を加えただけで、添加物はなく、酵母も蜂蜜の中から起こしてあげたものだけで造っています。

自然に近い環境で発酵させているので、酸とか苦みとか、そういうものを感じられるというのも特徴かなと思います。蜂蜜っぽいお酒を飲みたいのなら、僕は蜂蜜をウォッカとかで割ればよくて。それよりも蜂蜜が発酵しているということが大事だと思うので、蜂蜜の要素をもちろん活かして、それが発酵することによって出てくるもの、たとえば酸味だったりとかも活かしながら液体にしていきたなと思っています。それが他のミードと比べたら大きな特徴かもしれません。

戸田京介(WAKAZE三軒茶屋醸造所 杜氏)

そのシンプルな造りに惹かれたというのはあって…。自分が何もしなくていいというのは、変な言い方ですけれど、良い意味で自我が入り込む余地がないというか…。そういうものを造れるのってすごくいいなと。

ゴールはなくて、もうただ一日一日それをどういう方向に導いてあげるか。燃料とかを使わずにヨットで横断するような、その日の風向きにあわせて方向を変える、舵を取ってあげるというような感覚があります。何も出来ない分、不安はあったりするんですけれど、でも、そうすることで何か僕が蜂蜜を食べて思ったこと、すごくありふれた言い方になりますけれど、自然の恵みの素晴らしさみたいなところにつながっていったら良いなと思います。

戸田京介(WAKAZE三軒茶屋醸造所 杜氏)

原料には花園養蜂場さんの蜂蜜を使っています。クオリティの高い、本当に綺麗な蜂蜜です。蜂のことを第一に考えている養蜂家さんで、その蜂蜜を初めて食べた時にとても感動したんですね。何か良い景色を見たときのような、そういう感動があったんです。食べた瞬間に花畑がぱっと目の前に開けていくみたいな、山を登ってみたら景色が開けていたみたいな…。だからこそ、その素晴らしさを保ったままお酒にしたい。この蜂蜜自体の菌を活かすしかない。

蜂蜜って面白いなって思うのは、土があって、花が咲いて、それを蜂が持って帰ってきて、蜜になって。さらにその蜜を人間が持って帰って、ミードになって…。バトンを受け継いでいるような感じというか。個人的には発酵は、分解していく工程と思っているんです。植物ってすごくて、生産者と分解者で分けたら生産者。それを人は食べて分解して、排泄物が出て、それをいろんな菌が分解して、細かく細かくしていって最終的に土になる。発酵は、その分解していく過程の一部だなと。まず蜂が最初に分解してくれて、その蜂が分解してくれたものをさらに酵母が分解してくれて。そういうバトンをつないでいる感じが、循環の一部になっているようなところが面白いなと感じています。

蜂が花の蜜を吸ってそれを排出すると、蜂の唾液が花の蜜を分解するので甘い蜂蜜になっているんですね。蜂は別に蜂蜜をつくろうとして蜂蜜をつくってなくて、美味しそうな花があったからそれに引き寄せられて、駆り立てられるようにつくってしまっているという部分もあると思うんです。僕もそれでいうと、美味しそうな蜂蜜に引き寄せられて、それを発酵させて、結果ミードが生まれていく。そういうふうにできたら良いなと思っています。

WAKAZE SANGENJAYA ミード

ミード 4th lot
¥4,840(税込)
内容量:720ml
醸造年度:令和3年酒造年度
製造年月日:R3/9/5
原料:はちみつ(埼玉県産)
アルコール分:5度
製造場:WAKAZE三軒茶屋醸造所

お知らせ
12月18日(土) 13:00〜15:00 WAKAZE三軒茶屋醸造所 杜氏・戸田京介さんが在廊します。

12月17日(金)〜19日(日)の期間中、会場で高橋禎彦さん「サケコップ」、熊谷幸治さん「土器碗・カップ」の制作動画、 嶋田寛元さん(さいめ店主)による実践的な土器使いの動画などもご覧いただけます。

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